患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
患者様は静岡県で庭師をされている男性です。7年前から腰痛と臀部のしびれを自覚されており、複数の病院で検査を行われてきましたが、原因がわからず鍼灸や整体で様子を見られていました。3月に当院で治療を受けられた患者様宅で剪定をされた際に、当院のことをお知りになられ、受診されています。
診察
腰痛は帯状に広がっており、前屈動作や長時間の座位で悪化するタイプです。臀部のしびれは、昼から夕方にかけて出現する状況でした。筋肉の萎縮はなく、Kernig Signは左右ともに陰性、Lasegue検査も左右差なく80度以上と正常、神経反射も異常なし。
検査
MRI検査では明らかな異常は見当たりません。わずかに第4腰椎と第5腰椎の椎間板変性が疑われる程度です。
Annulogram検査
MRI検査では異常が無かった椎間板部分に、Annulogram検査を行ったところ、かなりの損傷が存在することが判明しました。腰痛と臀部のしびれの原因と判断し、治療を行いました。
検査と治療までに要した時間は23分でした。一度の治療で終了しております。
院長の一言
治療後、患者様から「原因が分かったことに胸のつかえがとれた」とお言葉を頂きました。腰痛や神経痛があると訴えているのに原因がない、気のせいだといわれることに大きなストレスがあったそうです。旧来の検査では見つからなかった原因もわかるようになってまいりましたし、原因が判明すれば治療する方法もあります。
さて、昨日の阪神タイガースは打線を組み替えて、中日ドラゴンズに勝利し、セリーグ首位に返り咲きました。お見事です。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。