患者様の情報
80代 男性
疾患・症状
患者様の状態
3年ほど前より腰痛を自覚されていましたが、6ヵ月ほど前より腰痛が悪化し、臀部にまで坐骨神経痛を伴うようになられています。歩くスピードも遅くなり、旅行などでは同行者に迷惑をかけてしまう状況であり、今回当院での治療を希望され受診されています。
検査
腰のMRI検査です。第2腰椎から第1仙骨まで広い範囲で椎間板の容量が減少し、変形も伴っている状態で椎間板ヘルニアと診断致します。同時に、足の神経の通り道である脊柱管も狭くなっており、脊柱管狭窄症の合併を認めます。
治療
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板の容量が減少していることから、今回はディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行っています。
鎮静剤の使用は希望されませんでしたので、局所麻酔を多めに使用し、治療を開始いたしました。
椎間板まで治療用の管を挿入しておりますが、神経に触れる事も無く、4分程度で挿入を完了いたしまいた。
椎間板に対してAnnulogram検査を行っています。指でさしているところに、損傷が見られますので、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。治療時間は17分でした。
院長の一言
4月6日は岡山県倉敷市で整形外科の研究会に参加してまいりました。腰の治療に関しての情報交換などを行いましたが、最近の傾向として、日本国内ではインプラントなどの外科手術が減ってきているようです。北米でも手術が減っておりますが、同様の傾向であることが確認されました。
日曜日は午前中に子供達を連れて、自宅近くにある大和民俗公園まで花見に出かけておりました。気温は20℃近くあり、気持ちが良い一日だと思っていたのですが、午後1時30分からの阪神タイガース対ヤクルトスワローズ戦では、わずかの差で我らの阪神タイガースが敗戦し、残念な一日となってしまいました。明日、4月9日は、甲子園球場に阪神タイガースが返ってきますので、仕事が終わり次第応援に向かおうと思っています。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。