患者様の情報

20代 男性

疾患・症状


患者様の状態

患者様は20代の男性で部活動でテニスをされており、2023年8月の合宿中に椎間板ヘルニアを発症されています。5ヵ月以上改善が無いことから、同年1月に椎間板ヘルニアに対してPLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を行いました。


経過

当院受診時には右坐骨神経痛で歩行もままならない状態でしたが、治療後1ヵ月時点で電話連絡をさせて頂いたところ、日常生活は可能なまで回復されていました。本日は大学を卒業し就職をされるにあたって、腰の状態を確認する為に受診されています。


痛みの評価

痛みの評価法としてVAS Scoreを確認いたしました。最大限感じられる痛みを10点として、0点が痛みを感じない状態と定義されます。

VAS score治療当日現在
腰の痛み70
下肢の痛み70
しびれ91
臀部の痛み80

右の足裏に軽度のしびれを自覚されていますが、日常生活には支障はないとの事でした。


検査結果

治療前のMRI

治療前MRI

第4腰椎と第5腰椎間の椎間板が大きく飛び出しており、椎間板ヘルニアと診断されます。

治療後のMRI

治療後MRI

PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を施行後1年2ヵ月経過しておりますが、椎間板ヘルニアは消失している状態です。


まとめ

PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)は、椎間板ヘルニアに対しては早期に症状を改善させることが報告されており、有効な治療法と言えます。また医療材料がすべて国産でありことこら、材料代が安く治療費用も20万円前後となっており、コストパフォーマンスに優れた治療だと考えます。なお、本日の外来では就職にあたり腰に問題はない事をご説明し、患者様にも大変満足して頂きました。


院長の一言

本日の症例では、椎間板ヘルニア発症後5ヵ月経過して、PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を行いましたが、もう少し早く治療を行っていれば足裏のしびれが残らなかったかもしれません。治療が遅れると神経障害が後遺症になる可能性が高くなります。神経痛が出現した場合には、早めに医療機関への受診をされることが肝要です。

さて、プロ野球の開幕戦が近づいてまいりました。我らが阪神タイガースも連覇に向けて長いシーズンを踏み出すことになります。巨人、広島、DeNA、中日、ヤクルトファンの方々には事前にお詫び申し上げます。笑


治療法

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

治療期間

日帰り

治療費用

308,000円~473,000円(税込)

リスク・副作用

治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


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