患者様の情報
50代 女性
疾患・症状
患者様の状態
令和4年頃から臀部から右足にかけて神経痛を自覚されていました。令和5年8月頃より、5分ほど歩くと休まないと歩けなくなる間欠性跛行も出現し、日常生活にも相当の支障が生じている状況となられていました。また、ご家族の経営されている会社で事務業務をされていましたが、8月より休職しているとのことでした。
治療記録
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
大阪院を受診、脊柱管狭窄症と診断しディスクシール治療(Discseel® Procedure)を施行しました。
治療経過
令和6年3月に受診されました。治療後1ヵ月経過した時点では神経痛の改善はなく、2ヵ月ほど経過した時点で神経痛が半減し、買い物などにも休まずに歩いて行ける状態となられていたそうです。現在、神経痛は消失していますが、ふくらはぎにしびれが残っていることから受診されています。
治療前
特に第2腰椎から第5腰椎までの3箇所の椎間板付近で神経障害が目立ちます。脊柱管狭窄症と診断されます。
治療後
治療後6ヵ月経過しておりますが、明らかな改善が見られます。
問題点
治療後6ヵ月で神経痛は消失しており、日常生活や仕事も可能な状態まで改善されていました。しかし、下肢の一部に痺れが残っており、後遺症として残る可能性があると判断いたしました。治療の開始が遅れた場合には、神経損傷から後遺障害が出現する可能性が高くなります。
院長の一言
糖尿病、狭心症、癌の治療も同じですが、腰痛疾患も早期に介入することで後遺症を残さず治療できる可能性が高くなります。目安として、神経症状の出現後1年以上放置した場合には神経障害が残りやすいと考えます。
今日も海外患者様の治療予約が入りました。円安の力でしょうか。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。