患者様情報
60歳代・男性
病名
治療前の状態
患者様は66歳男性です。20代の頃よりゴルフを趣味にされているとの事でした。令和元年5月頃から慢性的な腰痛と左足のしびれが出現するようになり、ゴルフが出来なくなられました。その後も改善が無い為に令和元年8月24日に当院を受診され、脊柱管狭窄症に対してディスクシール治療を行っています。
治療後の経過
ディスクシール治療後1ヵ月ほどで腰痛としびれが消失し、ゴルフが可能となられていたそうです。最近まで間欠性跛行も消失し、ゴルフを週1~2回のペースで楽しんでおられましたが、令和5年1月2日にお孫様と遊んでいる際に転倒され腰痛が再発し、2月13日に当院を受診されています。
治療前(令和元年1月24日)
第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板が潰れ、神経の通り道も狭くなっている状態です。脊柱管狭窄症と診断されます。ディスクシール治療は第4腰椎と第5腰椎の椎間板に行いました。
治療後(令和6年2月13日)
椎間板容量の増加と脊柱管狭窄部の改善を認めています。
問題点
1月2日に転倒されてから腰痛が出現していますが、足の神経障害は存在しないこと、MRI検査でも問題が無いこと、ロキソニンで腰痛が半減していることから、腰痛の原因は椎間関節などの捻挫が原因であると判断し、1ヵ月ほどで自然軽快するとご説明しました。
まとめ
ディスクシール治療後は1ヵ月ほどでゴルフが再開できるようになられ、治療効果も4年以上持続していましたが、打撲による腰痛の改善に遅れが見られました。腰痛予防には体幹の柔軟性を高めておくことが第一であると考えます。
院長の一言
昨日は建国記念日で休日でしたので子供たちをスキーに連れて行きました。非常に楽しい時間を過ごすことが出来ましたが、子供たちの動きに後れをとり、年齢(46歳)を実感した一日ともなりました。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。