患者様の情報
30代 女性(カナダ籍)
疾患・症状
患者様の状態
患者様はトロント在住で、6年前に仕事中に腰痛発作が出現して以来、慢性腰痛が続いている状態です。叔父様がアメリカ本国でディスクシール治療を受けられ改善したことから、当初、アメリカでの治療を検討されていたそうですが、今回、費用的な側面もあり、日本で治療を受けられることを希望され、受診されています。
検査
腰のMRI検査ですが、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板が潰れています。変形も伴っており、椎間板ヘルニアと診断致します。
施術内容
ディスクシール治療
椎間板の容量が少なくなっており、ディスクシール治療の良い適応と判断しました。
椎間板は潰れていましたが、骨の変形がないため、容易に治療用の管を挿入する事ができました。
椎間板に対してAnnulogram(アニュラグラム)検査を行っているところです。治療前に必ず行うように米国のガイドラインでは規定されていますが、日本国内でAnnulogram検査を行っている施設は当院以外には無いと思われます。
治療内容はモニターを通じて患者様にご説明いたしました。治療時間は18分でした。治療後に腰痛が7割程度改善されていました。
院長の一言
ディスクシール治療について、新たな論文が掲載されました。論文では、外科手術後に改善が無い患者様に対して、ディスクシール治療が有効であったことが記載されており、患者様満足度も70%以上であり、外科手術よりも満足度が高かったそうです。また、アメリカ本国では、退役軍人だけでなく現役の軍人に対してもディスクシール治療が再生治療カテゴリーとして保険適応に認定されました。アメリカ軍人の方は、無料で治療が受けられるそうですので、在日米軍の方が当院にお越しになられるかもしれません。
さて、北海道の富良野、ニセコ、トマムなどでは、スキー場がオープンしているようです。うずうずしてしまいます。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。