患者様の情報
20代 男性(中国籍)
疾患・症状
患者様の状態
1年前から前屈時に腰痛を自覚されていました。趣味でバスケットボールをされているそうですが、腰痛で楽しめなくなってきたために、当院で治療を受けられた方からの紹介で受診されています。
検査
腰のMRI検査ですが、第5腰椎と第1仙骨部の椎間板が変形し、椎間板ヘルニアと診断しました。椎間板の容量は十分保たれており、椎間板損傷のグレードは、Plfirmann分類で2~3であり、損傷としては軽い部類になります。
施術内容
PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)
椎間板変性としては軽症であり、椎間板を減圧する事で症状の改善が期待できましたので、減圧治療としてPLDD(レーザー治療)やディスコゲル治療(PIDT、セルゲル法)の適応があるとご説明しました。コストおよび安全性を加味され、今回はPLDDを希望されました。
鎮静剤の点滴で寝ていただいた後にPLDDを行いました。
レーザー照射をテストしているところです。治療時間は12分でした。バスケットボールの再開には1ヵ月要すること、腰痛改善率はデータ上92%であることをご説明しました。
院長の一言
椎間板ヘルニアに対するPLDD(レーザー治療)は、以前より全国で行われている椎間板ヘルニアに対する治療です。私も14年ほど前からPLDDを多くの患者様に行っていますが、安全性が高く、コストも20数万円と比較的安く提供できる良い治療法だと考えています。実際のコストに関しては、医療機関で大きな差はありますが、材料が全て国内で生産されている為に、当院では大量に医療材料を購入する事で、安く手にいれる事ができています。医療機関は安定的な業態と認識されがちですが、材料代に限らず、強いコスト意識を持たなくては成り立たなくなってきました。
20~30年前の私が医師になったばかりの頃は、コスト意識を持たなくてもよかったのですが……。
治療法
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)
治療期間
日帰り
治療費用
308,000円~473,000円(税込)
リスク・副作用
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。