患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
30代の頃からぎっくり腰(急性腰痛発作)を繰り返されておられましたが、今年の7月下旬頃、ランニングをされた後から左下肢に神経痛が出現するような状態になりました。長らくこの神経痛が持続しているために当院を受診されています。
検査
腰のMRI検査ですが、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板が大きく飛び出しており、脱出型ヘルニアを診断致します。椎間板容量は減少しており、繊維損傷が疑われます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
繊維輪の損傷に対しては、PLDDやディスコゲル治療(セルゲル法やPIDT)は禁忌とされている報告がありますので除外されます。治療法としては、ディスクシール治療が最適であると判断しました。
治療中の様子をご覧になりたいとの事から、鎮静剤は使用せずに局所麻酔薬のみ使用しております。
椎間板の検査を行っているところです。繊維輪の損傷を確認しているところですが、患者様自身にも損傷部分をご確認いただきました。
損傷部分が映っている動画です。黒く映っている箇所が椎間板繊維輪の損傷部分となります。治療時間は13分ほどでした。
院長の一言
日曜日は愛車の洗車とゴルフ練習をしておりました。週末に大学時代の友人とゴルフコンペがあるので頑張っておりました。私は非力ですので、ドライバーで230ヤード飛ばすのがやっとですが、飛距離よりも方向性が安定していれば良いスコアが目指せるので、方向性だけを考えて、力まないスイング練習を心がけました。
腰痛のリハビリも同じで、ストレッチを行い関節の可動域を柔軟にした後に、体幹筋力を鍛えます。順序が逆だと効果が出にくくなりますし、怪我の元になります。診療も力みすぎないようにがんばります。笑
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。