患者様情報

26歳・男性

病名


治療当時の状況

海上自衛隊勤務の男性患者様です。令和5年2月頃、洋上訓練中に腰痛と左足に激しい坐骨神経痛が出現しました。駐屯地の病院で椎間板ヘルニアと診断を受け、令和5年7月時点で休職を余儀なくされている状況でした。検査の結果、椎間板ヘルニア(L5/S)と診断し、PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を同日施行しております。


治療記録

PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)

令和5年7月に局所麻酔のみで治療を行っています。治療時間は12分と記録されていました。
(治療担当医:野中康行)


治療箇所のMRI比較

治療前

治療前MRI

治療前(令和5年7月)のMRI写真です。第5腰椎と第1仙骨の間にある椎間板が大きく飛び出しており、神経障害を引き起こしている状態です。

治療後

治療後MRI

治療後(令和6年1月23日)のMRI写真です。大きく飛び出していた椎間板は吸収されております。


問題点

治療後1ヵ月時点で腰痛と坐骨神経痛はほぼ消失していたのですが、左足の足底部にしびれが残存していたとの事でした。令和5年9月に勤務復帰されておられます。令和6年1月23日、残存している足底部のしびれを取りたいと希望され受診されました。しびれは安静時にも出現しており、歩くと砂の上を歩いているような感覚との事でした。


対策

しびれは感覚障害を意味します。原因としては、椎間板ヘルニアによる炎症により感覚神経に後遺症が出現している可能性が考えられました。しびれの改善に関してはDRT(椎間板再生治療)を行う事で改善は期待されますが、費用も高額となる為に、まずは内服薬での治療を第一選択とさせて頂きました。


院長の一言

海外でも治療後に症状が部分的に残ってしまう事は多数報告されていますし、思ったような治療効果が得られない事も報告されています。現時点で椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に対する治療成功率は病気の重症度と治療方法によって異なりますが、概ね70~90%前後となっています。未だに100%完治する治療法は存在しませんが、複数の治療法を組み合わせる事で100%に近づけるように引き続き努力してまいります。

私の子供達ですが、腰痛の方が絶対にやってはいけない動きをしています。注意です。


治療法

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

治療期間

日帰り

治療費用

308,000円~473,000円(税込)

リスク・副作用

治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。