患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
昨年12月17日ゴルフラウンド中に腰部の激痛と左足のしびれが出現しました。翌18日には左足の神経痛が悪化し、杖を使って歩かなくてはならない状態となり、近くの整形外科を受診されたところ椎間板ヘルニアと診断されました。内服での治療で日常生活はできる状態まで改善されましたが、運動が出来る状態ではなく、早期の治療を希望され、ゴルフ友達から当院を紹介受診されています。
診察と検査結果

腰のMRI検査ですが、第5腰椎と第1仙骨の間にある椎間板が神経側に大きく飛び出しています。腰に過剰な負担がかかり、椎間板が損傷し変形している状態で脱出型椎間板ヘルニアと呼ばれる状態です。腰痛と神経痛の原因となります。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板の損傷部分を修復することを目的にディスクシール治療を行いました。

患者様には鎮静剤で寝ていただき、背中に部分麻酔を行っているところです。

椎間板が損傷したと考えられる部分まで細い管を挿入していきます。レントゲン透視装置で管の位置を確認しながらゆっくりと挿入していきます。
椎間板の損傷部分を検査しているところです。損傷部分が黒く映し出されているのが分かります。この部分にディスクシール治療を行いました。
治療時間は17分でしたが、1時間後には腰痛が6割程改善している事を確認し、帰宅していただきました。
院長の一言
私も前屈姿勢を必要とするゴルフやスキーを嗜んでおります。しかし、前屈姿勢は腰のクッションである椎間板を押し潰す姿勢と言えます。押しつぶされた椎間板は内圧が上昇し、圧力に耐えられなくなると飛び出すように変形し突出型ヘルニアと言われる状態になります。さらに変形が進むと椎間板が破れ、内容物が外に飛び出し、激痛や神経痛が生じますが、そのような状態を脱出型ヘルニアと言います。今日行ったディスクシール治療は椎間板の破れた部分を修復する治療ですが、何より予防が大切ですので皆様も過度な前屈姿勢には十分お気を付けください。私も気を付けます。(笑)
今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任