患者様の情報

10代 女性

疾患・症状


患者様の状態

幼少期よりピアノをされていました。高校生になり音大への進学を目指してピアノのレッスンを長時間続けられているうちに腰痛が出現する様になられています。腰痛は前屈や歩行時に悪化する状態で、安心して鍵盤を叩く事ができないため、ご家族と共に当院を受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査です。腰の骨に異常は認めませんが、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板に変形を認めます。容量は保たれており膨隆型の椎間板ヘルニアと診断致しました。慢性腰痛の原因と考えられます。


施術内容

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

基本的には、腰の負担を改善させるようなリハビリが第一選択となります。しかしピアノの練習も控える必要が生じてしまいます。ご本人様は音大への進学が決定しているため、ピアノの練習を控えずに治療する必要があることから、PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)を施行しました。

治療風景①

1箇所の治療であり、鎮静剤は使用せずに部分麻酔のみで治療を開始しております。部分麻酔の痛みはワクチン接種と同程度です。

治療風景②

椎間板の中心部付近をレーザー照射しております。治療時間は6分程度でした。

治療が終了し、2時間ほどで歩いて頂きましたが、歩かれても腰痛が半減している状態であり、お喜びいただけました。


院長の一言

比較的若年層の方では椎間板の損傷が軽い事が多く、治療効果も早期に出現する傾向があります。ただし、若い方でも数年以上も腰痛を放置していると改善率が低下することが示唆されています。長年腰痛や坐骨神経を放置している場合には、椎間板治療をしても完全に症状が改善しない事もあります。私は外来で「腰痛治療は虫歯の治療と同じで早期に治療した方が良い」とご説明しております。椎間板治療以外にもリハビリや生活指導だけで改善する腰痛も多くありますので、気軽に診察に来ていただければと思います。


治療法

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

治療期間

日帰り

治療費用

308,000円~473,000円(税込)

リスク・副作用

治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。