患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
3年ほど前より右足に激しい痛みとしびれを自覚されるようになられました。農作業などで重量物を持ち運びされると悪化する状態であり、最近では普通に歩くことも困難となられていました。近くの整形外科では内服薬による治療を行われていましたが、改善が乏しく当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、特に第3腰椎と第4腰椎の間にある椎間板が潰れて薄くなっており、足の神経部分にも狭窄が生じているため椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症と診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板周囲の炎症を改善させることで神経症状の改善を図る為、今回は椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
治療の準備が整った段階で鎮静剤を使用しました。患者様のご希望です。
寝ていただいた後に局所麻酔を開始いたしました。
治療用の管を挿入しているところです。腰椎の変形は強くありませんでしたので問題なく挿入する事ができました。
順次椎間板を検査しております。損傷部分が映っておりディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。治療時間は17分でした。
院長の一言
当院では、海外で行われている腰痛治療もご提供させいていただいております。本日は中国からの患者様にも治療をさせて頂きましたが、患者様より当院の治療は北米のディスクシールテクノロジーと正式に契約しているのか?偽物ではないのか?といったご質問がありました。この4月よりディスクシール治療(Discseel® Procedure)の有効性が証明され、米軍の退役軍人に対して国の補助金が下りるようになったことから中国でも話題になっており、そのような質問をされたようです。ご本人になぜそのようなことを疑問に思われるのか尋ねたところ、中国では偽物が横行していて、偽物を掴まされた方が悪いと考えられているから詐欺まがいの治療もよくあると話されました。唖然としました。医療行為に関して、偽物があるとなると重大な身体障害が生じる可能性があるという事になります。国によって医療の質に違いがあることもうなずけました。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。