患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
13年前より腰痛を自覚されていましたが、7年ほど前より徐々に悪化を認めていました。最近では左足にしびれまで出現するようになり、日々のストレスも増大してきたため、当院での治療を希望され受診となりました。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、4箇所の椎間板に変形を認めており、椎間板ヘルニアと診断致します。また椎間板の容量も50%程度減少しており、椎間板変性症と診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板に対して検査を行い、椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
局所麻酔用の針は27G針を使用するように致しました。針の直径は0.4mmになりますので、麻酔時の痛みはほとんど感じられません。
麻酔の後に治療用の管を椎間板まで挿入しております。骨の変形が少ないので硬度の低い管を使用しております。
椎間板を検査しております。損傷の程度は椎間板により差はありましたが4箇所にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を必要としました。治療時間は19分でした。
院長の一言
麻酔の仕方には医師毎に特徴がありますが、私の場合は麻酔薬を多めに使用しております。もちろん安全域(極量以下)に抑えての使用量となっておりますが、稀に治療後2時間ほど、麻酔効果が切れるまで時間がかかることがあります。このようなデメリットがありますが、治療中の痛みを軽減できるので良いと思っています。もちろん神経損傷を起こすことはありませんのでご安心ください。
さて昨日の阪神タイガースは惜しくも中日ドラゴンズに敗れてしまい2連敗となってしまいました。広島カープが敗れたためマジックは28となりましたが油断はできません。本日もラジオで応援したいと思います。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。