患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
- FBSS(脊椎術後疼痛症候群)
- 再発性椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 坐骨神経痛
患者様の状態
37年前に椎間板ヘルニアに対して外科的手術をされておられる患者様です。数年前より腰痛と坐骨神経痛が出現するようになり、検査を行ったところ椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症と診断をされています。外科的手術となると固定術が必要になる可能性があり、リスクが高い為に当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、第2腰椎以下第1仙骨まで椎間板の変形が見られ椎間板ヘルニアと診断致しました。また神経も背側より圧迫をされつつあり脊柱管狭窄症と判断いたしました。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板周囲の炎症と機能の改善を図り、腰痛および坐骨神経症状の緩和を図りました。今回は椎間板3箇所(L3/L4、L4/L5、L5/S1)にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行っております。
患者様より鎮静剤は必要ないと承りましたので、局所麻酔のみで治療の準備をしております。ワクチン接種程度の痛みとなります。
治療用の管を椎間板まで挿入しているところになりますが、骨の変形がなければ10秒程度で挿入可能です。準備も入れて4箇所で1~2分程度となります。
患者様のご家族が見学を希望された場合は、この写真の様にガラス越しに治療室内を観察していただけます。
椎間板に対して検査を行っているところになります。ご家族がおられればこの動画の様に治療中の様子をご確認いただけます。治療時間は15分でした。骨の変形が強い場合にはもう少し時間がかかる場合もあります。
院長の一言
本日の午後の外来で、2年3ヵ月前に当院で治療をさせて頂いた67歳男性の患者様が受診されました。治療後は坐骨神経痛が改善しておられたのですが、最近になり右膝に動作時疼痛が出現するとの事でした。診察させて頂くと膝に限局した痛みがあり、神経痛ではなく変形性膝関節症が疑われたので、ご近所の整形外科にご紹介させて頂きました。腰に異常はなくホッとしたのですが、膝関節の疼痛も厄介であり心配しております。
滋賀県のラ・コリーナと言う施設です。バームクーヘンが有名で以前訪れたことがあるのですが、この様な田舎で生活するのが私の夢です。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。