患者様の情報

50代 男性

疾患・症状


患者様の状態

3年前より両足全体のシビレと痛みを自覚されていました。最近では歩かれるとシビレが悪化する状態で、いわゆる間欠性跛行も出現しており、仕事にも支障が生じているとの事でした。ロシア人のご友人から当院を紹介され来日されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、特に第4腰椎と第5腰椎の椎間板が大きく変形しており、椎間板変性症と診断されます。また椎間板は変形も伴っており、椎間板ヘルニアの状態です。第4腰椎もズレがみられ、腰椎すべり症と診断致しました。日本人と同じで腰痛に国境はありません。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

損傷した椎間板3箇所(L2/L3、L4/L5、L5/S1)に対して検査と治療を行いました。

治療風景①

当院の通訳を介して治療前の説明を行っています。カザフスタンではロシア語が公用語であり、ロシア語で意思疎通を図りました。カザフスタン語が堪能な通訳はそうそういません。

治療風景②

治療用の管を椎間板まで挿入しているところです。日本人と比較して若干体格が大きい程度であり日本人と差はありません。

椎間板を検査している動画です。椎間板の損傷は中等度以上でありDST(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は20分でした。ロシア語の通訳を介して治療を行いましたので、通常よりも少し時間がかかりました。


院長の一言

ご本人様は長い口髭を蓄えられていましたので「イスラム教徒ですか?」とお伺いしたところ、カザフスタン共和国にはイスラム教徒が多いが厳格にイスラム教を信心している人は少ないけれど、口ひげを生やさないと男として格好が悪いから生やしているとおっしゃられました。非常にユニークな方でいろいろと冗談も言われており、和やかな外来と治療になりました。また明日は大阪府内を観光されるそうで、ショッピングを楽しみにされていました。現在海外からのお問い合わせが増加しており、7月以降に海外患者様の治療予約が急増しております。アメリカ本国でDST(ディスクシール治療)の成績が国の機関(国防省)に認定され保険適応(退役軍人が対象)になった事が影響していると思われます。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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