患者様の情報
80代 女性
疾患・症状
患者様の状態
2ヵ月ほど前に腰痛が出現した後に両足に強いしびれが出るようになりました。しびれは強く歩く事が出来ないほどで、年齢的にも手術ができないことから当クリニックを受診されました。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが複数の椎間板が潰れており、足の神経も圧迫を受けています。椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症と診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板周囲の炎症を改善させることで神経障害の改善を図ります。椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)の容量が50%以上低下しているのでディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行っております。
私と山崎治療担当医の2名で治療にあたりました。背中に局所麻酔を投与しているところです。
治療用の管を挿入しているところですが、椎間板が潰れている部分があり難渋致しました。
椎間板を検査しているところです。椎間板の損傷部位を特定しています。
検査の動画です。損傷部位が黒く映し出されておりディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。治療時間は18分でした。
院長の一言
本日午後の外来に治療後8ヵ月経過した患者様が来院されました。臀部から足にかけての神経痛は改善がみられましたが、足先のしびれが残っており、どうにか治療が出来ないかとの事でした。椎間板治療ではしびれの改善も期待できるのですが、取れない場合はリハビリを併用するとしびれの改善も期待されるので、当院での腰痛リハビリをお勧めいたしました。リハビリを追加する事によるしびれの改善率は58%です。
今夜は当院から私と石田副院長および笹山医師(リハビリ専門医)の3名と慶応大学リハビリ科の富岡先生とで腰痛リハビリについての会合を予定しております。精度の高い腰痛リハビリを目指して頑張ってまいります。日帰り腰痛治療でも新規治療を年内に導入予定ですのでご期待ください。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。