患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

2022年2月頃より坐骨神経痛が出現するようになられました。近くの整形外科で腰椎すべり症と脊柱管狭窄症を指摘され、内服薬での治療が開始されました。しかし症状の改善が乏しく、長時間歩く事はもちろん、スポーツも出来なくなってしまわれたため当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、第2腰椎から第5腰椎の間にある椎間板が変形し潰れかけています(椎間板変性症と言います)。また第4腰椎は前方にずれており、腰椎すべり症と診断されます。足の神経も圧迫を受けており、脊柱管狭窄症の合併を認めます。


施術内容

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

損傷した椎間板3箇所(L3/L4、L4/L5、L5/S1)を治療し、坐骨神経痛の改善を図りました。

治療風景①

鎮静剤を使用しております。鎮静剤投与後20秒で寝てしまわれました。治療担当は山崎医師と私、野中が担当しております。

治療風景②

治療用の管を挿入しているところです。私と山崎医師で分担して処置にあたりました。

椎間板を検査している動画です。黒く映っている部分にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。治療時間は19分でした。治療終了から4分後に患者様もお目覚めになられました。


院長の一言

昨日、石田副院長が2週間の海外研修を終えて帰国し、本日より診療に復帰しております。海外研修では、技術的な指導は受ける必要はないレベルでしたが、手術に関する科学的な意義や学術的な論文考察などインテリジェンスの部分で大きく飛躍したようです。年度内に山崎医師も海外研修を予定しております。私も東南アジア領域で治療実績の報告と指導を予定しております。コロナ感染も収束しており、海外研修に行けるようになり大変喜ばしいかぎりです。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰部脊柱管狭窄症

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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。