患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
数年前より右足の神経痛を自覚されておられました。近くの整形外科で脊柱管狭窄症と診断を受けられました。もともと中国在住の方であり、外科的手術(固定術)を勧められたのですが、ご家族がアメリカや日本におられ当院の治療を目的に来日されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、第2腰椎から第4腰椎まで3箇所の椎間板に変形を認め、椎間板ヘルニアと呼ばれる状態になっています。また椎間板の容量も減少しており、椎間板変性症と診断されます。足の神経も圧迫を受けており、脊柱管狭窄症を合併しています。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
損傷した椎間板3箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5)に対して検査を行ったところ、損傷が認められたのでディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
今回は鎮静剤を使用し、寝ていただいた上で治療を開始いたしました。
治療用の管を損傷した椎間板に挿入していきます。骨の変形も無く問題なく椎間板まで管を挿入することができました。
椎間板を検査しているところです。この後ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。治療時間は18分でした。治療終了後3分程でお目覚めになられています。
院長の一言
昨日、1年後輩の整形外科医と電話をしました。来月に会合があるので、その予定を話すためでしたが、話の流れで、最近は整形外科で行われているリハビリに関して厚生労働省からの締め付けが厳しくなっており、長期間にわたる保険でのリハビリが出来なくなっていることを知りました。当院では、保険を使用せずリハビリを行っているので影響がなく気づかなかったのですが、社会保障費削減の波が強く押し寄せているとの事でした。後輩曰く、国は社会保障や医療に関しては必要性が低いと考えているのだろうとの事でした。対して、私は必要性の問題では無く、整形外科学会や医師会の国政への影響力が落ちている事が原因だと思うと述べました。後輩医師に「医者やめて政治家になれ」と言いましたが笑われてしまいました。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
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腰部脊柱管狭窄症
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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
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