患者様の情報

60代 女性

疾患・症状


患者様の状態

10年前より坐骨神経痛を自覚されておられました。また、歩くと神経痛が出現し、休まれると改善する間欠性跛行と呼ばれる状況でした。徐々に悪化傾向でもあり、今回当院での治療を希望され受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査では、腰椎全般にわたって椎間板が潰れております(椎間板変性症)。また変形もあり椎間板ヘルニアと呼ばれます。足の神経も圧迫を受けており、脊柱管狭窄症と呼ばれる状態で坐骨神経痛間欠性跛行の原因と考えられます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

損傷した椎間板5箇所(L1/L2、L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対して検査とDST(ディスクシール治療)を施行しました。

治療風景①

見学室から見た治療室の様子になります。ご家族が見学される際には治療室全体を見ていただけます。

治療風景②

患者様にはうつ伏せに寝ていただき、検査と治療を行っているところです。治療用の管の太さは数ミリですが、局所麻酔を十分に使用しております。

治療風景③

椎間板を検査しているところです。患者様にもご説明するためモニター画面を患者様の目の前に移動させております。

治療風景④

治療後の背中の写真ですが、切開していませんので傷跡は数日で消えます。今回の治療では5箇所に治療を行い、治療時間は21分でした。


院長の一言

本日の治療後診察の外来で、テニスを再開すると臀部痛が出現した患者様が来院されました。日常生活では症状が出現しなくなったのですが、激しい運動をすると症状が出てくる状態でした。当院での治療後に症状が改善し、スポーツを再開される患者様は多数おられますが、スポーツを再開される前に低下している体幹筋力の強化を行われることを推奨しております。腰の病気を発症される原因として筋力低下があり、運動に適した筋力を持っていない場合には症状が再燃する可能性もあります。具体的なトレーニング方法としては3ヵ月・週3回・1回30分以上のプール歩行をしていただく事をお勧めしております。腰に負荷をかけることなく、体幹筋力全体を強化できるので有益だと考えております。是非お試しください。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。