患者様の情報
50代 女性
疾患・症状
患者様の状態
以前より腰痛は自覚されていましたが、今年1月頃より左足に坐骨神経痛が出現する様になられました。最近では靴下を履く際の前屈でも神経痛が出現しており、家事全般に支障が生じる状態でした。今回は知人のご紹介で当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI写真です。第3腰椎から第1仙骨までの間にある椎間板が変形しており、一部は容量が減少している状態です。椎間板ヘルニアと診断致します。また第4腰椎はズレがみられており、腰椎すべり症と呼ばれる状態です。腰椎すべり症は足の神経に炎症を引き起こす脊柱管狭窄症の原因となります。
施術内容
DRT(椎間板再生治療)
椎間板を検査したところ損傷部分が映し出されましたので、DRT(椎間板再生治療)を行っております。
今回はご家族が隣室から治療中の様子を観察されました。なおご本人様は鎮静剤で寝ていただきました。
今回は皮膚から椎間板までの距離が12-14cmと深いので慎重に治療用の管を進めました。(通常であれば皮膚から椎間板までの深さは8-9cmです)
ご家族も隣室からご覧いただきましたが、椎間板の損傷部分を証明している動画です。黒く映っている部分が損傷部分となります。ご家族の目の前でDRT(椎間板再生治療)を行っております。
治療時間は23分でした。ご本人様は治療終了と同時に目を覚まされています。
院長の一言
本日午後の外来に今年3月にDRT(椎間板再生治療)を行った64歳女性の患者様が受診されました。症状は安定しており、日常生活も問題なく行えるようになり満足されていました。DRT(椎間板再生治療)では、腰痛症状の改善率は80%を超えており、安定的にQOL(生活の質)の向上が見られています。今年に入って海外患者様の治療も増えてまいりましたし、石田副院長の腰も順調に経過しております。
さてスキーの季節が近づいており行きたくてウズウズしておりますが、年初に東京へ分院を開設する為にスケジュール調整が少し難航しております。
7年前の写真です。二人の子供と共に北海道トマムスキー場にて。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。