患者様の情報
70代 男性
疾患・症状
患者様の状態
20代の頃から腰痛を自覚されていました。60代になり足のしびれと坐骨神経痛が出現するようになりました。令和2年10月に当クリニックでディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行い、治療後4ヵ月程度で坐骨神経痛は消失したものの、足裏のしびれが残っているため再度当院を受診されました。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎、第5腰椎と第1仙骨の間の椎間板に変形が残っており、神経の通り道も部分的に狭くなっています。椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症と診断されます。3年前のディスクシール治療(Discseel® Procedure)部位は、第2腰椎から第1仙骨までの椎間板4箇所を対象としていました。足のしびれが残存している原因として脊柱管狭窄症部分の神経障害が関与していると判断いたしました。
施術内容
DRT(椎間板再生治療)
追加治療として、神経周囲の炎症を取り除きリモデリング(再構築)作用のあるDRT(椎間板再生治療)を選択しております。
DRT(椎間板再生治療)では、やわらかい管を使用しますので管自体が変形しないように細心の注意を払う必要があります。モニター画面に集中しているところです。
治療用の管を椎間板と神経の近傍に挿入し治療を行っているところです。患者様は局所麻酔が良く効いており痛みを感じられることもありませんでした。
治療時間は26分でした。DRT(椎間板再生治療)では治療行程が多く集中力を要しますので、慣れている医師でもかなり疲労します。
院長の一言
石田副院長がDRT(椎間板再生治療)を受けられてから2週間近く経過しました。腰痛と神経痛はほとんど消失しており、運動も問題ないとの事です。石田先生は1月と2月に雪山でのスノーボードを予定されているそうです。私もスキーを予定しております。実は私もぎっくり腰を患っており、予防目的で治療しようかなと思っています。そういえば事務長の中野氏も椎間板治療を行いましたが、今は子供と野球ができるまで回復していますね。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。