患者様の情報
70代 男性
疾患・症状
患者様の状態
以前から腰痛を認めておられましたが、3年前に急性腰痛症を認めた後から慢性的な腰痛と左下肢神経障害性疼痛(坐骨神経痛)が持続し改善がないことから当院を受診されました。
診察と検査結果
MRIではL2/3-5/Sの椎間板にかけて椎間板変性症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症も認められます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
穿刺針を留置したうえで造影検査を行いましたところ、L2/3-4/5の椎間板においては線維輪の損傷を認めておりましたので、髄核成分が漏れ出ることによる化学的炎症が症状の原因である可能性を疑いましたのでディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
L5/Sに関しては線維輪の損傷を認めませんでしたので、椎間板の変性は認めておりますが症状の原因とは考えにくく治療を行いませんでした。治療時間は11分でした。
造影検査を行わないと正確には線維輪の損傷が評価できないことが再認識される症例でございました。
副院長の一言
さて、院長のブログにもございましたが2週間前に小生の腰痛に対してDRT治療をしていただきましたので、経過をご報告させていただきたいと思います。
元来腰痛を自覚したこともなく過ごしてまいりましたが、ゴルフの練習後から筋肉痛のような鈍痛(VASスコアで2程度)が2-3週間ほど持続するため、筋肉痛ではないなと異常を感じMRIを取りましたところ。。。ご承知のように椎間板の損傷を軽度ではありますが認めておりました。年齢的に椎間板が自己修復できる年齢ではございませんでしたので、今後、椎間板の損傷が進行するリスクも考慮し早期治療に踏み切りました。治療後は一過性の腰部の鈍痛(VASスコアで4程度)を認めましたが、この症状は大多数の患者様でも起こる症状であり、私の場合は1週間程度で落ち着きました。治療後2週間経過いたしましたが現在はVASスコア0-1程度に改善しております。通常の経過より相当早い改善ではありますが、要因といたしましては、受傷早期であったことと狭窄などの他の要因が無く、炎症が原因の中心であったためと推測されます。様々なスポーツを楽しむため、再発のリスクはありますが、体幹トレーニングを行いながら再発しにくい体作りを心がけながら今後の経過を見ていきたいと思っております。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事
NLC野中腰痛クリニック 副医院長石田 貴樹
2009年:高知大学卒業・医師免許取得、2012年:神戸市立医療センター西市民病院勤務、2013年:兵庫県立尼崎病院勤務、2014年:関西労災病院勤務、2019年:ILC国際腰痛クリニック勤務、2021年:NLC野中腰痛クリニック勤務、2022年:2年間の研修を経て10月にライセンスを獲得、2023年:医療法人蒼優会理事就任・NLC野中腰痛クリニック副院長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。