患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
4年前に椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛に対して当院で椎間板治療をさせて頂いた患者様です。治療後は坐骨神経痛が消失し、仕事もスポーツも自由にできるようになられていましたが、今年8月、仕事中にビルの2Fから転落し、腰部を強打され以後、右足にしびれを自覚するようになられました。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板がわずかに変形しており、椎間板ヘルニアと診断致しました。4年前に治療した部位と同じ箇所でした。
施術内容
DRT(椎間板再生治療)
第4腰椎と第5腰椎間に椎間板造影検査を行ったところ、損傷が確認されましたのでDRT(椎間板再生治療)を行いました。
治療前に椎間板の位置を最終確認しているところです。患者様は4年ぶりの治療であり少し緊張なされていました。
椎間板に造影検査を行っているところです。転落によるものと思われる椎間板の損傷が映し出されましたのでDRT(椎間板再生治療)を行いました。治療時間は29分でした。
院長の一言
私の外来では、腰痛を虫歯治療に例えてご説明する事があります。腰痛や坐骨神経痛になる原因は遺伝要素、仕事、スポーツなどで基本的には人間の営みのなかで腰に負担が生じた結果生じる病気です。腰痛治療を行ったとしても、人間の営み方を改善させる事が出来ないために10年、15年と経過するうちに再発することがあります。今回の様に事故にあったりされると再発する事もあります。虫歯の治療も同じです。いくら治療をしても、予防処置をせずに10数年経過すると再発してしまいます。従って、腰痛治療後に最も大切なことは再発をしないような体作りだと考えています。当院では腰痛リハビリを組み合わせる事で再発予防に関しても対応させて頂いております。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。