患者様の情報
80代 女性
疾患・症状
患者様の状態
脊柱管狭窄症に対して2022年11月に外科的手術を経験されています。手術前からあった坐骨神経痛は2年経過した時点でも改善が無い状態です。再手術をするには年齢的な問題もあり、日帰り治療を希望されて当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査となりますが、腰椎全般にわたって変形が認められます。また神経の通り道である脊柱管も複数箇所で狭くなっており、脊柱管狭窄症と診断致しました。
施術内容
DRT(椎間板再生治療)
椎間板に対してDRT(椎間板再生治療)を行い、神経症状の改善を図っております。
鎮静剤を使用しました。ご高齢であられても短時間しか作用しない鎮静剤であれば問題はありません。
腰の変形が強い為に治療用の管はNST針を使用しております。変形に対しても追従性が高い管となります。高価な管ですが機能性が高いです。
椎間板を検査しております。黒く映っている部分が損傷部分となりDRT(椎間板再生治療)を行いました。また患者様は寝ておられましたので、治療後に動画の内容をご説明しております。
治療時間は22分でした。DRT(椎間板再生治療)はディスクシール治療(Discseel® Procedure)よりも安定性も高いと考えております。問題は治療時間が10分ほど余分にかかる事です。
院長の一言
昨日は石田副院長の腰痛に対してDRT(椎間板再生治療)を行いました。本日は副反応による腰部の鈍痛が出現しているとの事です。仕事などに支障はない程度です。坐骨神経痛は残存しておりますが、経過を引き続きご報告させて頂くつもりです。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。