患者様の情報
30代 男性
疾患・症状
患者様の状態
20歳の頃からゴルフのツアープロをされていますが、その頃から腰痛は自覚されている状態でした。今夏のゴルフトーナメント本戦に参加中、突然左足に神経痛が出現し棄権されることになりました。検査されたところ椎間板ヘルニアと診断を受けられ、リハビリを中心とした治療を行われました。しかし、ゴルフの練習もできない状態が続き、今回ご紹介で当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板の容量が20%程度少なくなっており、神経側に椎間板が突出した形になっています。椎間板ヘルニアと診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板を検査したところ、椎間板繊維輪の損傷を認めましたので椎間板修復治療を行いました。
椎間板ヘルニアの位置と治療用の管の位置関係を確認しているところです。
治療用の管の位置を調整しているところです。微妙な位置関係のずれでも治療成績が変わってしまいますので、慎重な操作が必要となります。
治療直前の動画です。治療用の管を3箇所に挿入していますが、検査の結果治療が必要な箇所は2箇所であることが判明しました。
治療時間は15分でした。
院長の一言
整形外科で開業をしている後輩がいるのですが、来月に厚生局からの個別指導を受ける事になったそうです。個別指導とは、患者様を診療したカルテに不備がないか、処方薬に間違いがないかなど、適切な保険診療が為されているかを検査することを意味します。実際にはカルテを20件分をランダムに抽出し、そのカルテを基にして行政官の前で説明をすることになります。開業してから1年経過すると必ず行われる事ですが、不備があれば最悪の場合には保険診療の指定取り消しなどもあり得ます。我々のクリニックでは大きな問題も無く、4年ほど前に個別指導はクリアしております。医療機関は行政に管理監督される立場であるので仕方がない事ですが、後輩は緊張に震えており不憫に思いました。
さて今日から日本シリーズが始まります。関西対決です。楽しみです。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。