患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
昨年4月に椎間板ヘルニアに対して外科的手術を受けられましたが、その後左坐骨神経痛が出現するようになられ当クリニックを受診されました。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、第5腰椎と第1仙骨にある椎間板が薄く潰れかけており飛び出しております。椎間板ヘルニアと考えられます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
損傷している椎間板1箇所(L5/S1)対して検査及び治療を行いました。
鎮静剤を用いて治療を開始しましたが、少し鎮静剤の効きが悪かったため鎮静剤を多めに使用いたしました。この写真は寝ていただいた後に治療用の管を挿入しているところになります。
椎間板の隙間が狭いため、あらかじめ特殊形状の針(NST針)に変更し治療を行いました。
治療用の管を挿入後は椎間板の検査と治療を行いました。治療時間は14分であり治療後3分程でお目覚めになられました。「夢を見ていた」と仰られました。
院長より一言
本日は、椎間板治療後3年6ヵ月経過された65歳男性の患者様が来院されました。元々右足の坐骨神経痛があり、ご趣味の山登りが出来ない状態であられましたが、椎間板治療後は神経痛が改善し山登りを再開されておられました。しかし昨年12月末に山登りの最中に転倒されたあとから、臀部の鈍痛が続く様になった為に受診されました。検査の結果は、腰椎や椎間板などに異常はなかったのですが、仙骨部に部分骨折を認めました。2ヵ月程度で自然に改善するとご説明いたしました。先日もスノーボードで転倒し腰痛が再発した患者様もおられました。治療後も過信は禁物です。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。