患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
20年前に椎間板ヘルニアと診断されておられましたが、さほど坐骨神経痛は強くなく様子を見られていました。しかし4月頃より腰に負担をかけると、左下肢に激しい神経痛が出現するようになられ、趣味であられるゴルフが全くできなくなってしまわれました。今回、ゴルフ仲間の方が当院で治療をされ調子が良いとのことから受診されておられます。
診察と検査結果
4箇所の椎間板が潰れ飛び出した様な変形を伴っており、椎間板ヘルニアと呼ばれる状態になっております。また足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症の状態になっております。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
潰れた腰部椎間板L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/Sの4箇所に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行い、坐骨神経痛の改善を図りました。
局所麻酔のみで治療を行いました。この写真では、患者様に治療中の様子をご説明しているところです。
椎間板を検査しているところです。この後ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行っております。治療時間は16分でした。局所麻酔により、痛みを自覚されることはほとんどございませんでした。
院長より一言
最近、海外からの問い合わせが急増しております。北米でディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行った場合には1万8000ドル(260万円以上)となります。今までは中東地域やEU圏では渡米して治療を受けられていた患者様が多数おられましたが、昨今のドル高と円安の影響から日本での治療を希望されているようです。この様に為替相場により患者様にもご迷惑が掛かる時代なのかと痛感している次第です。私や石田医師の北米およびEU研修も円安の影響がどれだけ出てくるのか不安になりますが、知識と技術はお金で買えるものではないので積極的に研修を継続していく方針です。また知り合いの医師(大先輩)が「日本円は信用できないから……」と言って昔から円をコツコツとドルに換えていた事を思い出しました。(先見の明?)
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。