患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

9年ほど前より坐骨神経痛が出現したが、その当時は症状が軽く、日常生活にさほど支障はない状態であられました。しかし年々神経痛が強くなり、最近では洗濯物すら休まずに干せなくない状態となられました。元々持病があられ、外科的手術はリスクも高い事から当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

レントゲン

腰のレントゲン写真です。腰を前から写真で撮影しています。腰は腰椎と呼ばれる骨が縦に並んで出来ておりますが、このレントゲン写真では腰椎が変形して並んでおり、腰が曲がっている状態が見て取れます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

腰椎L1/L2、L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S部分の5箇所にDST法(ディスクシール治療)を行いました。腰椎と腰椎を繋いでいる椎間板が潰れ腰椎が動揺しますと坐骨神経痛が悪化してしまうので、椎間板を治療し、腰椎の動揺(腰椎不安定症)を改善することで神経痛の改善を図ります。

治療風景

患者様は治療中の様子を見られたいとの希望がありましたので、鎮静剤は使用せず、局所麻酔のみで治療を行いました。患者様にはうつ伏せに寝ていただき、治療用の管を背中から椎間板まで挿入しているところです。

腰の変形が強い為、治療用の管を挿入するのに手間取りましたが、しっかりと椎間板まで挿入する事ができました。

治療用の管を挿入後、造影検査をおこなっているところです。黒く映っている部分が椎間板の損傷部位となりますので、DST(ディスクシール治療)を行いました。


治療後

治療後1時間30分後には歩いて頂きましたが、神経痛は5割程度まで改善を認めておりました。今後の改善に期待が持たれます。


院長より一言

本日の症例は腰椎の変形が強く、治療用の管を挿入するには技術的に相当の習熟が必要と思われます。手前味噌ですが、このレベルの腰椎変形に対して治療が可能な施設は、国内でも相当限られるものと推測致します。当院では、難渋な症例や外科的手術後の患者様に対しても治療を行っております。お悩みの患者様がおられるようでしたら、ご相談いただければ幸いです。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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