患者様の情報
70代 男性
病名
- 腰椎すべり症
- 脊柱管狭窄症
- 椎間板変性症
- 椎間板ヘルニア
患者様の状態
もともとゴルフ、スキー等の運動がご趣味であられましたが、約1年前より臀部から下肢にかけて神経痛が出現し、運動が楽しめない状態となられました。
近くの整形外科では腰椎すべり症と診断され、外科的手術も適応と言われたそうですが、手術後は運動が制限される可能性が高い為に当クリニックを受診されています。
診察と検査結果

腰のMRI検査です。
腰を横から見ておりますが、向かって右側が背中側となります。
腰は腰椎と呼ばれる骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。
また腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っております。
このMRI写真では腰椎がお腹側にずれている部分があり、その部分の椎間板が潰れている状態が見て取れます。
また神経の通り道を脊柱管と言いますが、狭くなっている事がわかります。
足の神経症状の原因と考えられます。
施術内容
DST法
腰椎L3/L4、L4/L5、L5/S部分の3箇所にDST(ディスクシール治療)を行いました。
DST(ディスクシール治療)により、潰れた椎間板の機能を改善させる事で下肢の神経症状の改善を図ります。

患者様は、寝ている状態での治療をご希望されましたので鎮静剤を使用しました。
治療用の管を挿入するまでに5分程度を要しました。
椎間板の状態を造影剤で確認しているところです。
黒く映っている部分が椎間板の損傷部位であり、DST(ディスクシール治療)が必要な部位となり、この後治療を順次行っております。
術後
治療終了後、5分程度で患者様はお目覚めになられましたが、全く痛みを感じておられませんでした。
院長より一言
ガイドラインに沿いますと、DST(ディスクシール治療)を行った場合、1ヵ月程度は激しい運動は控えていただく必要がございます。
ゴルフなどがお好きな患者様におかれましては、患者様の症状や回復具合によっては2週間ほどで運動を再開される事も多くございます。
経験上2週間で運動を再開されましても大きな問題は生じていません。
Covid-19の終息後に渡米、欧州への研修を検討しておりますので、その際に北米のガイドライン委員会に対して報告をしようと考えています。
この記事の著者

NLC野中腰痛クリニック 院長 野中 康行
2002年川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年ILC国際腰痛クリニック開設、2020年医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年NLC野中腰痛クリニック開設。
治療実績:3,600件(平均75件/月・2018年6月~2022年5月まで)