患者様の情報

60代 女性

疾患・症状


患者様の状態

7年程前より、軽い坐骨神経痛を自覚されておられました。その当時より腰椎すべり症を指摘されておられましたが、症状も軽く様子を見られていました。今年の6月頃より強い神経痛が出現し、日常生活にも支障が生じるようになりました。鎮痛薬も試されましたが改善が乏しく、当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を真横から観察しており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。また腰椎と椎間板の傍には、足の神経が通っており、神経の通り道を脊柱管と言います。このMRIでは腰椎がずれている部分(第4腰椎)があり、腰椎すべり症と言います。また足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症と呼ばれる状態です。椎間板の容量は50%以上低下している状態です。


施術内容

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

椎間板機能の改善を図るべく、腰部椎間板L3/L4、L4/L5、L5/Sの3箇所に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。

治療風景①

治療中の様子をご覧になるとの事から局所麻酔のみで治療を開始しました。

治療風景②

今回は管の挿入に関してはさほど難渋する事はありませんでした。

治療風景③

検査の様子です。患者様にもご覧になって頂いておりますが、この後ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行っております。

治療時間は15分。治療後は腰に違和感はありましたが、歩行に支障はございませんでした。


院長より一言

本日、外来にPLDD(椎間板レーザー減圧術)後より1年経過した30代男性の患者様が来院されました。神経痛は消失しておりましたが、時折腰痛が出現するとの事でした。検査ではヘルニアはほぼ消失(吸収)しておりましたが肥満傾向であり、減量をするようにご説明申し上げております。コロナ感染拡大に伴い、肥満の患者様が増えている印象です。腰痛と肥満は正の相関関係がありますので、皆様もご注意ください。私の場合は忙しすぎてやせてしまっておりますが……。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰部脊柱管狭窄症

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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


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腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。


坐骨神経痛

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坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。