患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
9年ほど前より腰痛が出現し始め、6年ほど前より両足に神経痛(坐骨神経痛)を自覚されるようになり、昨年の年末より新たに痺れが出現したために当クリニックを受診されました。またブロック注射や鎮痛薬などでは改善が乏しい状態でした。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、腰を横から見ており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。また足の神経も傍を通っており、神経の通り道を脊柱管と言います。このMRI写真では明らかに潰れている椎間板が2箇所あります。また神経の通り道も狭くなり脊柱管狭窄症と呼ばれる状態です。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
潰れた椎間板にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を施行し、脊柱管狭窄症による神経症状の改善を図ります。今回は腰部椎間板L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/Sの4箇所に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
治療中の不安感をできるだけ感じないようにとのご要望もありましたので、鎮静剤を使用致しました。寝ていただいたことを確認した後に治療を開始いたしました。
治療用の管を挿入する際に骨の変形があったため管の形状を変化させております。最終的に15分程で治療は終了し、患者様もその場でお目覚めになられております。
院長より一言
本日は忙しく立ち回っており、汗をかきながらの診療となりました。梅雨が戻ったかのような雨天であり、コロナ対策での換気で湿気を強く感じた1日です。また午後の外来では、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)後4年経過した患者様が来院されました。脊柱管狭窄症による坐骨神経痛も改善を認めており、MRI検査だけを希望されての受診であり、雨天にも関わらず私の心は晴天となりました。引き続き患者様に笑って頂けるよう診療に励みたいと思います。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
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腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。