患者様の情報

80代 男性

疾患・症状


患者様の状態

定年を迎えられた後に、本格的にマラソン大会に出場されるようになられていた方です。75歳頃より両足の坐骨神経痛としびれが出現するようになり、歩行もランニングも困難となられました。また脊柱管狭窄症と診断され、リハビリをされておられましたが、杖歩行となったことから当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

治療用の管を背中から挿入しているところです。腰のMRI検査になります。腰を横からみており、向かって右側が背中側、向かって左側がお腹側となります。腰は腰椎と呼ばれる小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。このMRI写真では2箇所で神経の通り道である脊柱管と呼ばれる部分が狭くなっており、脊柱管狭窄症と呼ばれる状態です。また狭くなっている部分では、椎間板が潰れており、脊柱管狭窄症の原因と考えられます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

今回は腰部椎間板L3/L4、L4/L5の2箇所にDST(ディスクシール治療)を行い、脊柱管狭窄症による症状の改善を図りました。

治療風景①

治療用の管を背中から挿入しているところです。
今回は、鎮静剤を使用し寝ていただきました。寝ていただいた後に部分麻酔を行っているところです。

治療風景②

治療用の管を背中から挿入しているところです。
大きな問題も無く挿入できました。

椎間板を検査し、DST(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は18分であり、鎮静剤の効果もあり、患者様としては楽に治療が終了しております。


院長より一言

6月(水無月)も終盤に入りました。
この新大阪の地で日帰り椎間板治療を開始し5年目に入っております。月日が経つのが非常に早く感じておりますが、思い返すとこの4年間で関西北部地震や消費税増税、新型コロナ感染と非常に多くの出来事があった大変な4年であったと思います。反対に当院での椎間板治療は順調で、治療成績も北米と遜色がないレベルであり、治療件数も4,000件を超えており、大きな問題も無く経過できました。今後も腰痛患者様に選択していただける治療になるよう、努力してまいりたいと思います。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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