患者様の情報

60代 女性

疾患・症状


患者様の状態

2月初旬ごろより、右足の神経痛が出現し歩行も困難となられた為に、近くの整形外科を受診されました。鎮痛薬やブロック注射などで様子を見られるも、改善が乏しい為に外科的手術を勧められましたが、日帰り治療を希望され当院を受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を真横から観察しており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。また腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っており、神経の通り道を脊柱管と言います。このMRI写真では4箇所の椎間板が潰れており、足の神経の通り道も圧迫を受けており、脊柱管狭窄症と呼ばれる状態で神経痛の原因となります。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

潰れた椎間板をDST(ディスクシール治療)により修復する事で腰椎の動揺を抑え、神経症状の改善を図ります。今回は腰部椎間板L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/Sの4箇所にDST(ディスクシール治療)を行いました。

治療風景①

鎮静剤は希望されませんでしたので、局所麻酔のみで治療を開始しております。

治療風景②

治療用の管を椎間板まで挿入した後に、患者様に検査とDST(ディスクシール治療)の様子をご説明しているところです。

患者様もご覧になられた動画です。黒く映っている部分が椎間板の損傷部位であり、DST(ディスクシール治療)を行う箇所となります。治療時間は20分程度であり、2時間後に歩いて帰宅していただきました。


院長より一言

最近は画像を送って頂き、遠隔相談形式のお問い合わせが増えております。その為早朝出勤し、パソコンに向かう日々が続いており、夜は22:00には就寝することが多いのですが、いい意味で早寝早起きとなり充実しております。今年に入り治療件数も過去最高を記録しており、目まぐるしく動き回っている次第です。後進の医師の教育を充実させ、患者様にご迷惑をおかけしない様に務めてまいりたいと思います。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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