患者様の情報

60代 女性

疾患・症状


患者様の状態

昨年の5月頃より、臀部から足にかけての激しい疼痛と痺れが出現するようになられました。前かがみや中腰の姿勢において特に痛みが強くなる状態であられました。近くの整形外科では脊柱管狭窄症と診断され、内服薬での治療が開始されましたが改善が乏しく、この度当クリニックを受診されております。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を横から見ており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。また腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っており、足の神経の通る部位を脊柱管と言います。このMRI検査では、4箇所の椎間板が潰れており、足の神経も圧迫を受けている状態が認められ、脊柱管狭窄症と診断されます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

潰れた椎間板をDST(ディスクシール治療)により修復治療することで、脊柱管狭窄症による坐骨神経痛の改善を図ります。今回は腰部椎間板L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/Sの4箇所にDST(ディスクシール治療)を行いました。

治療風景①

今回は鎮静剤を使用せず、局所麻酔のみで治療を行っております。

治療風景②

レントゲン透視装置を用いながら、椎間板の検査を行っております。

実際の検査の様子ですが、黒く映っている部分にDST(ディスクシール治療)を行っています。治療時間は15分程度であり、2時間後には歩行し帰宅していただきました。


院長より一言

コロナ感染が落ち着いてきておりまして、遠方からのお問い合わせも増えてまいりました。特に東南アジアからのご連絡が多くなっております。当院としては、医師および看護スタッフの拡充を図ると共に、治療室の拡大を予定しており患者様のニーズに応えるべく対応していく所存であります。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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