患者様の情報
60代 女性
疾患・症状
患者様の状態
2019年秋頃より右の臀部に痛みが出現されました。2020年1月には痛みが強くなり、しびれも出現する状態となられました。近くの整形外科では鎮痛薬とリハビリを中心に行われていましたが、改善が乏しい状態であり、当クリニックを受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、腰を横から観察しており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っており、神経の通り道を脊柱管と言います。このMRI写真では、特に2箇所の椎間板が潰れている状態であり、足の神経も複数の箇所で圧迫を受けております。所謂、脊柱管狭窄症と呼ばれる状態です。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
潰れた椎間板の機能をディスクシール治療(Discseel® Procedure)により改善することで神経症状の改善を図ります。今回は腰部椎間板L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/Sの4箇所にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
鎮静剤は使用せず、局所麻酔のみで治療を開始いたしました。慢性的な神経痛があり、治療用の管を挿入する際に痛みを強く感じられましたので、通常より多く局所麻酔薬を使用させて頂きました。
治療用の管が挿入された後は、患者様の目の前にモニター画面をご用意し、検査や治療の説明を行っていきます。
検査の様子ですが、黒く映ってくる部分にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。治療時間は16分であり、2時間後には歩いて帰宅していただきました。
院長より一言
暖かくなって参りました。本日は47歳の男性が再診にお越しになられました。椎間板ヘルニアに対してPLDD治療後、約2年経過されておられる患者様です。右坐骨神経痛は完治しており、MRI検査でも明らかなヘルニア吸収を認めておりました。来院された目的は、この春からゴルフを再開しても良いか?とのご相談でした。腰の状態は◎でしたが、運動の為には体幹筋力の評価が必要になりますので、2Fの腰痛リハビリセンターにて体幹筋力を評価してもらいました。その結果、体幹筋力も十分に運動対応できると判断いたしましたので、ゴルフは可能であるとご説明させて頂きました。腰痛リハビリセンターは、直接当クリニックが運営をしているわけではないのですが、リハビリ専門医である笹山先生が監修し、私もアドバイザーとして参画している施設となりますので、信頼にたるリハビリを患者様に提供できていると判断しております。引き続き患者様のお役に立てるように質の高い治療を提供してまいりますので、よろしくお願いいたします。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
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坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。