患者様の情報

90代 女性

疾患・症状


患者様の状態

以前より腰痛を自覚されていましたが、最近になり右足の前面から、右股関節付近の疼痛が出現するようになられました。特に歩く際に神経痛が出現し、日常生活に相当の支障が生じる為に当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を横から見ており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。また腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っており、足の神経が通る部位を脊柱管と言います。このMRI検査では複数の椎間板が潰れており、足の神経も圧迫をうけており、脊柱管狭窄症と呼ばれる状態になっております。


施術内容

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

潰れた椎間板に対して、検査およびディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行い、神経症状の改善を図ります。今回は腰部椎間板L1/L2、L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/Sの5箇所にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。

治療風景①

患者様にうつ伏せに寝ていただき、どのようなアプローチで治療を行うか最終確認を行っているところです。治療を円滑に行うためには。アプローチ方法を決定しておくことが非常に大切です。

治療風景②

レントゲン透視装置を用いて、腰の状態を常に観察し、神経に触れない様に工夫しながら、検査の準備を進めていきます。この写真では、治療用の管を椎間板まで挿入しているところになります。

治療用の管が挿入された後は、管の位置を複数の角度からレントゲン透視装置を用いて確認をし、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。治療に当たっては、準備が非常に大切であり治療の成否にも左右されます。


院長より一言

本日のブログでは、治療準備について記載させて頂きました。ロシア―ウクライナ問題でも、ロシア軍の兵站や準備不足が問題視されておりますが、医療行為も同様に、治療前のアプローチから患者様ごとに異なる腰椎の変形等々を想定しておくことが重要だと考えております。実際に私も10年以上前にはなりますが、準備不足の為に苦労し挫折しかかったことも多々ありました。基礎技術の成熟がなければ、欧米で開発されている新たな治療方法の習得も不可能であったと思います。今後も引き続き技術の研鑽に励みつつ、新たな治療方法の導入を試みたいと考えております。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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