患者様の情報

40代 男性

疾患・症状


患者様の状態

令和4年2月に腰痛と左臀部に激しい神経痛を自覚されました。また腰に負荷のかかる動作では、神経痛が悪化する為に体を動かすこともままならない状態で、スポーツ等もできなくなった事から当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を真横から観察しております。向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。また腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っております。このMRI写真では、2箇所の椎間板で飛び出した様な変形をともない、神経周囲で炎症を引き起こしている状態です。


施術内容

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

椎間板ヘルニアの原因である、繊維輪損傷部位をディスクシール治療(Discseel® Procedure)により修復する事で、ヘルニアによる神経症状の改善を図ります。今回は腰部椎間板L3/L4、L4/L5の2箇所にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。

治療風景①
治療風景②

治療室の隣にはご家族が見学される部屋があり、この様に患者様の様子を確認する事が出来ます。

局所麻酔を用いて痛み止めをしながら、治療用の管を椎間板まで挿入していきます。必ずレントゲンを用いながら、神経に触れない様に管を挿入する必要があり、複数の角度から治療用の管の位置を確認していきます。

治療用の管が挿入された後も、治療部位に誤りが無いかすべて動画で記録し、治療後に患者様とご家族に説明を行っております。治療時間は20分程度であり、2時間後には歩行していただき帰宅となりました。


院長より一言

本日は東京より麻酔科の専門医が見学に来られました。今後関東地方での椎間板治療を希望されている先生で、提携を希望され来院されました。治療に関しては研修を必要としますが、研修期間は1年程度と見込んでおります。診断から治療、そして治療後の患者様の管理に関して問題が生じない様に管理できるまでには、最低でも1年は必要となります。私自身も3年程の下積みを経験しております。年末には当院の石田医師を中心とした椎間板治療チームの編成が完了し、東京への進出を予定しておりますのでご期待ください。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

椎間板変性症

椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。