患者様の情報

60代 男性

疾患・症状


患者様の状態

2年ほど前に脊柱管狭窄症と診断されておられましたが、最近になり両足の神経痛が出現し、スポーツが出来ない状態となられた為に当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を真横から見ており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。また腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っております。このMRI写真では、複数の椎間板が薄く潰れており、飛び出した様な変形(椎間板ヘルニアと言います)や足の神経の通り道(脊柱管と言います)が狭くなり、脊柱管狭窄症と呼ばれる状態になっております。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

椎間板を検査しDST(ディスクシール治療)を行う事で、坐骨神経痛の改善を図ります。今回は腰部椎間板L1/L2、L2/L3、L3/L4、L4/L5の4箇所にDST(ディスクシール治療)を行いました。

治療風景①

鎮静剤は希望されず、局所麻酔のみで治療を開始しております。

治療風景②

治療用の管を挿入する際に一瞬痛みがでましたが、それほど強くないので我慢していただきました。(ワクチンを接種するような痛みです)

椎間板に管を挿入し、検査を行っているところです。検査まで約6分程度です。黒く映っている部分にDST(ディスクシール治療)を行っていきます。

レントゲン透視

治療後の写真です。向かって右側が治療前、向かって左側が治療後の写真です。椎間板の隙間の拡大を認めます。治療時間は合計17分で、帰宅時には坐骨神経痛の軽減を認めておりました。


院長より一言

毎週金曜日は治療日であり、1日に7件の治療枠を設けております。しかし治療予約待ちの患者様が多数にのぼっており、3月に限っては治療枠を拡大し1日8件まで治療を行えるようにスケジュール管理しております。体力的にも相当負荷がかかりますが、治療精度を重視し細心の注意を払いつつ、頑張りたいと思っております。本日、ロシアがウクライナの原発を攻撃しているとのニュースを聞きました。東欧にも治療後の患者様がおられますので、スタッフ共々患者様の安否を心配している次第です。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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