患者様の情報

80代 女性

疾患・症状


患者様の状態

5年ほど前よりお尻と足に痛みが出現し歩行に支障が生じていたが、今年に入り痛みが強くなり歩行距離が短くなってきたため当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰を横から見た写真です。向かって右側が背中側、向かって左側がお腹側となります。腰は基本的に小さな骨(腰椎)が縦に並んでいるだけで出来ています。しかし小さな骨(腰椎)がぶつかってしまうと骨が痛みますので、骨と骨の間にクッション(椎間板)が存在しています。また傍には足の神経が通っています。この写真では複数か所でクッションが潰れています。またクッションが潰れている為に骨が損傷し、周囲にある足の神経にまで炎症が及んだ結果、坐骨神経痛が出現している状態でした。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

腰椎L2/3・L3/4・L4/5・L5/S1部分にDST4箇所の治療を行いました。クッション(椎間板)を検査し治療することで神経周囲の炎症の改善を図ります。

治療風景①

局所麻酔により痛みを取り除いているところです。

治療風景②

クッション(椎間板)まで治療用の管を挿入し、検査と治療の準備を行います。時間的には4-5分程度です。

治療風景③

治療用の管の位置を確認し、クッション(椎間板)の損傷程度を検査しています。

黒く映った部分が椎間板の損傷部位となりますので、その後DST法(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は20分程度でした。


術後

治療後は1時間程度ベッドの上で安静にしていただき帰宅としております。帰宅時には痛みの軽減が見られていました。

※治療効果は個人差があります。


院長より一言

脊柱管狭窄症に対するDST法(ディスクシール治療)の1回目での治療成功率は、北米(米国)及び日本でも病気の重症度により多少変化しますが75-80%前後となっております。治療に満足していただける患者様も多いのですが、万一改善が乏しい場合には当クリニックでは追加で治療を行う事で治療成績向上に努めています。予約電話の方では専門のスタッフが疾患ごとの治療成績などもご説明させて頂いておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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