患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
4年前より右のお尻と足に痛みとしびれが出現する(右坐骨神経痛)状態で、2~3分の歩行しかできない(間欠性跛行)状態でした。3年前より脊柱管狭窄を指摘されていましたが、手術は希望されず当院を受診されています。
診察と検査結果
検査では第3腰椎と第4腰椎間、第4腰椎と第5腰椎間、第5腰椎と第1仙骨間で椎間板の容量が40%程度低下し椎間板が潰れた状態(椎間板変性あり)となっておりました。また随所で脊柱管狭窄症と椎間孔狭窄を認めます。
椎間板治療としては、造影検査を行ったのちに治療方法を最終決定しますが、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)が必要になる可能性が高いとご説明しました。また有効率は75~80%前後が見込まれました。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
腰椎L3/4・L4/5・L5/S部分に治療を行いました。治療中の痛みはほとんどありませんでしたが、L4/5に治療用の管を通過させるときにしびれが出そうになりましたので、管の向きと傾きを変えて神経から遠ざけるように管を操作しました。(写真をご覧ください)
患者様は治療中に随分と余裕があられましたので治療中の動画をご一緒にご確認しながら、治療をさせていただきました。
治療時間は18分程度でした。
術後
治療後2時間で歩行していただき、帰宅となっております。
※治療効果は個人差があります。
院長より一言
治療中は神経の傍を管が通過するとしびれが出現してしまう事がありますが、当院ではしびれが出現しそうになった段階で管の向きを操作しながら、しびれが出ない様な治療を心がけております。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
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腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。