患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

7年目に脊柱管狭窄症に対して外科的手術(除圧術)を行われ、日常生活も可能な状態が続いておられました。3ヵ月前より左の臀部から足にかけての疼痛としびれが出現し、歩行ができない状態となられたので当クリニックを受診されました。もともとテニスを楽しまれていましたが、またテニスができるようになりたいと希望されました。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査です。
腰の断面を横から見た写真となり、向かって右側が背中側、向かって左側がお腹側となります。腰は腰椎と呼ばれる小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションの働きがある椎間板が存在しており、腰椎と椎間板の背中側を足の神経が通っています。この写真では複数の椎間板が潰れており、足の神経も圧迫を受け、炎症が生じている状態と推測されます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

腰椎L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S部分の4箇所にDST治療を行いました。潰れた椎間板を検査し、治療を行う事で足の神経症状の改善を図ります。椎間板が潰れている事から、DST(ディスクシール治療)が必要になると推測されました。

治療風景

患者様のご家族がご見学されましたが、この様に隣室でガラス越しにご覧頂きました。患者様には鎮静剤で寝ていただき、治療を行っています。

椎間板の造影検査を行っているところです。黒く映っている部分が椎間板の損傷部位であり、DST(ディスクシール治療)の適応となる部位です。ご家族が見守られる中、治療を行わせて頂きました。約18分で治療終了となっております。


院長より一言

本日は4件の治療を行わせて頂きました。内1件は脱出型椎間板ヘルニアの再発でありました。まれに再発する事があり患者様にはご迷惑をおかけしておりますが、当院では可能な限り患者様に負担が無いように継続した診療を心がけておりますのでご安心ください。また、気温も低くなり、明日以降は寒波が到来するとの事です。皆様もお身体をご自愛頂ければと存じます。今年もあと6日、当院の診療も29日からお休みとなりますが、気を引き締めて診療にあたりたいと思います。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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椎間板変性症

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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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