患者様の情報

50代 女性

疾患・症状


患者様の状態

25年前に第2子を御出産された後から腰痛が出現されました。特に朝の靴下をはく動作や、トイレ動作、ベッドからの移動等々、腰を前屈される動作で痛みが出現する状態が続いておられました。当クリニックには令和3年10月に受診され、本日12月16日に治療目的で来院されております。


診察と検査結果

MRI

MRI検査ですが腰を横から見ております。向かって左側がお腹側、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションの働きがある椎間板が存在しております。また足の神経は腰椎や椎間板の背中側を縦に通っております。このMRI写真では明らかなに椎間板が潰れている部分が1箇所見られます。椎間板が潰れてしまうと腰椎同士がぶつかってしまいますので、特に前屈動作で腰痛が出現しやすい状態となります。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

腰椎L4/5・L5/S1の計2箇所にDST法(ディスクシール治療)による治療を行いました。潰れた椎間板を治療する事で症状の改善を図ります。

治療風景

患者様より治療中の動画を見たいとの希望がありましたので、鎮静剤は使用せずに局所麻酔のみで治療を開始しました。

椎間板の損傷部分を検査しているところになります。黒く映っている部分が損傷部位になり、DST(ディスクシール治療)を行う部位にもなります。検査後、すぐさまDST(ディスクシール治療)を行いました。
治療時間は20分でした。


術後

治療後1時間30分程個室でお休みいただき、帰宅していただきました。腰痛改善には2ヵ月程度は必要になる旨ご説明しております。

※治療効果は個人差があります。


院長より一言

先日興味深い話を耳に致しました。
中国人の患者様とビデオ通話をした際に、中国では腰痛だけで脊椎手術を行われると聞きました。日本でも欧州でも1970年代には腰痛に対して脊椎手術(固定術)が行われていたようですが、手術後の経過が悪く、欧州では訴訟にまで発展してしまった為、欧州や日本では腰痛だけで外科的手術はおこなわれなくなっております。中国の患者様の遠隔画像相談を行う中で、腰痛が主体であるにも関わらず、腰椎にボルトが挿入されている画像を多数確認しておりますので本当かもしれません。
国や地域によっては治療法選択に違いがあることは理解できますが、少なくとも日本や欧州の治療データを元に治療ができている事は幸せであると思いました。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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