患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
患者様はもともと運動が大変お好きで、若い頃よりたくさんスポーツをされておられたそうです。しかし、2019年1月頃より臀部から両足にかけての激しい痛みとしびれが出現し、運動が思うようにできなくなられました。近くの整形外科を受診したところ、脊柱管狭窄症と診断されブロック注射等での治療を行われました。しかし改善がないため、外科的手術を勧められたそうです。しかしながら、仕事の都合や今後の運動復帰を考えると、手術はとても選択できないとの事から当クリニックを受診されました。ご希望は、当然ですが「スポーツが出来るようになりたい」との事でありました。
診察と検査結果
腰を横から見た写真です(MRI検査)向かって右が背中側で向かって左がお腹側です。腰は小さな骨(腰椎)が縦に並んでできており、腰椎と腰椎の間には椎間板と呼ばれるクッションがあります。またすぐ傍には、足の神経が通っています。この写真ではクッションである椎間板が潰れており、神経障害の原因と考えられます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
腰椎L2/3・L3/4・L4/5・L5/S部分に治療を行いました。潰れたクッション(椎間板)に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)をする事で、神経症状の改善を図りました。
クッション(椎間板)まで治療用の管を挿入していますが、痛み止めが良く効いており、患者様は痛みを感じておりません。
クッション(椎間板)を治療している様子ですが、治療後に患者様にご説明する為に、この様に記録していきます。治療時間は18分程であり、治療中、患者さまはほとんど痛みを感じることはありませんでした。
術後
治療後は2時間ほどベッドでお休みいただきましたが、しっかりとした足取りで帰宅していただきました。尚、ご希望のスポーツに関しては、1ヵ月後を目途に再開を考えていただくように説明しております。
※治療効果は個人差があります。
院長より一言
昨日、1年ほど前に治療した患者様より感謝のお手紙を頂きました。治療後、坐骨神経痛が改善しており、運動(ゴルフ)が出来るようになったとのことでした。大変モチベーションが上がり、うれしい限りであります。ただ、最近治療予約のお問い合わせを多数いただいており、1カ月先まで予約が一杯になっています。クリニックとしては大変忙しくなりますが、患者様にご迷惑をおかけしない様にスタッフ一同頑張りたいと思っております。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。