患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

2年ほど前より動作が緩慢となってきたため、近くのクリニックを受診されたところ脊柱管狭窄症と診断されました。2021年7月頃より足の痛みが悪化し、歩くことも困難となった為に当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰を横から見た写真(MRI)です。向かって右側が背中側、向かって左側がお腹側となります。腰は小さな骨(椎体ないし腰椎)が縦に並んで出来ていますが、骨と骨の間にはクッション(椎間板)が挟まっており、骨(椎体ないし腰椎)の負担を軽減しています。また傍には足の神経が通っています。この写真では複数のクッション(椎間板)が変形しており、飛び出している様子(椎間板ヘルニア)を認めます。また骨のずれがみられ、すべり症もあり、足の神経が圧迫されている様子が見られます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

腰椎L2/3・L3/4・L4/L5・L5/S1部分にDST4箇所の治療を行いました。クッション(椎間板)を治療することで骨(椎体ないし腰椎)の不安定性を改善し、足の神経への炎症を改善させる事を図ります。

治療風景①

患者様にはうつ伏せになって頂き、局所麻酔を使用し痛みを取り除いていきます。

治療風景②

続いてレントゲン検査を使用しながら、治療用の管をクッション(椎間板)まで挿入します。今回患者様は痛みを感じることはありませんでしたが、時にしびれが出現する事もあります。

治療風景③

治療用の管が正しくクッション(椎間板)まで入っているか確認した後に検査を行います。

黒く映っているところがクッション(椎間板)の損傷している部位です。続けて治療を行いました。治療時間は17分程度でした。


術後

治療後は2時間ほど安静になって頂き、歩いて帰宅していただきました。治療後の診察時には左足の痛みは軽減しており、早期の効果が期待できました。

※治療効果は個人差があります。


院長より一言

中等症以上の脊柱管狭窄症に対するDST治療(ディスクシール治療)の改善率は、足の神経痛に対しては75%前後となっております。この改善率は北米のデータやディスクシールに関する論文でも同様の結果となっています。しかし当クリニックでは、改善が不十分な場合に追加でPODT(椎間板オゾン治療)を行う事でさらなる改善率の向上を図っておりますし、可能な限り満足いただけるように対応および対策させて頂いておりますので、一度ご相談いただければ幸いです。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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