患者様の情報

60代 男性

疾患・症状


患者様の状態

40年程前に10メートルの高さから転落し、腰を強打した後よりお尻と大腿部の裏側に痛みとしびれが出現しだしました。その後痛みとしびれが徐々に悪化してきており、最近では日常生活が困難となってきたために当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰を横から見た写真です。向かって右側が背中側、向かって左側がお腹側となります。腰は小さな骨(腰椎)が縦に並んで出来ています。小さな骨(腰椎)と骨がぶつかると損傷してしまうため、間にはクッション(椎間板)が存在します。また傍には足を支配する神経が通っています。この写真ではクッション(椎間板)が潰れ、足を支配する神経が圧迫されているところが見えます。圧迫を脊柱管狭窄症と言います。脊柱管狭窄症の原因の一つにクッション(椎間板)が潰れたことが関与しています。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

腰椎L3/4・L4/L5部分にDST2箇所の治療を行いました。潰れて損傷したクッション(椎間板)を治療し、神経症状の改善を図ります。

治療風景①
治療風景②

患者様にはうつ伏せに寝ていただきます。

治療風景③

クッション(椎間板)に治療用の管を挿入する為に局所麻酔をしているところです。

治療風景④
治療風景⑤

麻酔を行った後に治療用の管をクッション(椎間板)までレントゲン検査を用いながら挿入していきます。

クッション(椎間板)まで治療用の管を挿入した後にクッション(椎間板)の損傷状態を確認し治療を行っていきます。部屋に入り治療するまで約12分でした。


術後

治療後は2時間ほどお部屋でお休みいただきました。治療内容の説明をさせて頂いた後、帰宅していただきました。帰宅時にはしびれの改善がみられていました。

※治療効果は個人差があります。


院長より一言

10年前に椎間板治療を初めて行った際は、治療時間は1時間程度かかることが普通でした。現在は15~20分程度と治療時間は非常に短くなっており、患者様のストレス軽減につながると思います。ご年配の方でも日帰り治療が可能でありますので、ご相談いただければ幸いです。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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