患者様の情報
40代 男性(アメリカ籍)
疾患・症状
患者様の状態
オーストラリア在住の米国籍男性です。1年前から坐骨神経痛が出現しており、趣味のサーフィンが出来ない状態が続いています。病院で検査を受けるも軽度の椎間板変性であり、治療法がないと言われましたが、米国で行われているディスクシール治療を検索され、Drパウザ医師に相談をされました。ディスクシール治療は適応であるが、米国では予約が3ヵ月先まで埋まっているため、日本で治療を受けるように紹介され来日されています。
検査
MRI

腰のMRI検査ですが、軽度の椎間板変性しか認められません。一般的には坐骨神経痛の原因となるヘルニアも認めませんが、MRI検査では映らない繊維輪損傷の可能性はあります。
治療
椎間板繊維輪の損傷はAnnulogram検査でしか評価する事ができません。検査を行ったところ損傷が確認された為にディスクシール治療を行うことができました。
Annulogram検査
MRIではわからない椎間板損傷部位が黒く映し出されています。損傷部分から髄核成分が漏出し、炎症の原因になっていると考えます。
ディスクシール治療
損傷部分をディスクシール治療で修復しているところです。サーフィンの再開は1ヵ月間控えていただく様にお願いしました。
院長の一言
スキーシーズンに備えて
9月にインドネシア、10月にアメリカと研修先で大量に栄養をとったせいか、体重が5kgほど増えてまいました。身長172cm体重68kgと肥満ちゃいますけど、間近に迫ったスキーシーズンに備えて減量せなあきまへん。
スキーによる腰の負担は平均して4G程度になるんで、体重が68kgとすると68×4=272kgの負荷が腰にかかることになるんですわ。僕みたいなヘルニア持ちの場合、スキーを楽しもうと思うたら体重をできるだけ下げておくか、体幹筋力を強化せなあかんのですわ。せやけど、体幹筋力を鍛えるのは根性がいるさかい無理とすると……痩せなあかんのです。目標体重は63kgがんばります!

今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状
椎間板変性症
椎間板変性症とは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚部に痛みや痺れを感じる症状です。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任