患者様の情報
40代 女性(オーストラリア籍)
疾患・症状
患者様の状態
1年ほど前に椎間板ヘルニアを発症されており、右足に坐骨神経痛が持続している状態です。改善の気配がなく、日常生活にも制限が出現する日々が続いており、最近になりうつ病を併発されてしまわれました。
検査
MRI

腰のMRI検査ですが、L4/5に脱出型ヘルニアを認めます。椎間板容量も減少しており繊維輪の損傷が持続していることが予見されます。
治療
持続する神経痛がうつ病を発症させることは、因果関係が確認されています。神経痛を改善させることが優先されますので、ディスクシール治療を行いました。
Annulogram検査
椎間板の損傷はMRI検査では映らないので、Annulogram検査を行い評価していきます。損傷部分があれば黒く映し出されます。
ディスクシール治療
損傷部分に対してディスクシール治療を行いました。脱出する髄核成分が神経痛を引き起こすので、この様に椎間板繊維輪を修復する事で炎症の原因を取り除いていきます。アメリカから帰国して久しぶりの治療でした。
院長の一言
アメリカ研修
アメリカでは、ほんまに多くの事を勉強させてもらいました。頸椎に対する治療はアプローチの方法から治療方法まで腰の治療とは全く違うんですけど、解剖とアライメントを理解しているので治療は問題なく行えます。とりあえず、石田先生を被検体として実際に治療を行ってみようと思てます。現在、治療に必要な医療材料を取り寄せてるところですので、早ければ年明けから臨床できればと考えています。腰椎の治療成績よりも頸椎の治療成績の方が良いので期待大です。さらに慢性の頭痛やめまいに対しても自律神経障害の改善を介して効果があるため、北米では頭痛に対して普通にディスクシール治療が行われてました。日本でも難治性の頭痛症に治療を導入する予定です。

日本に帰国してから自宅で白米と唐揚げを食べたんですけど、涙がでるほどおいしかったです。やっぱ最高やで日本食。
今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚部に痛みや痺れを感じる症状です。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任