コラム / 院長ブログ

【するどい質問】PLDDとディスコゲル治療(セルゲル法)の違い

昨日から東京院で診察をしておりますが、40代男性の患者様から一般人とは思えないするどいご質問をいただきましたのでご紹介したいと思います。

質問内容

ご質問内容は、「PLDD(椎間板レーザー減圧術)とディスコゲル治療(セルゲル法)の違いとは何なのですか?」でした。患者様は椎間板ヘルニアの治療目的で複数の医療機関を受診されており、上記の疑問が湧いたそうです。今まで患者様からこのような質問を受けたことは初めてでしたので、医師が故意に秘密にしたい部分も含まれたナーバスな問題を明らかにせざる得ない「するどくて的を得た質問」と言えるでしょう。

PLDDとディスコゲル治療(セルゲル法)の違い

PLDD(椎間板レーザー減圧術)とディスコゲル治療(セルゲル法)は、共に椎間板の内圧を下げることで椎間板ヘルニアを治療する減圧治療です。以下に違いをまとめます。


PLDDとディスコゲル治療(セルゲル法)の違い

減圧方法には違いがあります

PLDDはレーザーを使って椎間板内を物理的に破壊する減圧治療、セルゲル法はエチルアルコールを使用して椎間板内を科学的に壊死破壊する減圧治療になります。

実績の違い

日本国内では、PLDDは長年にわたり日本全国で行われおり、セルゲル法は数年前から国内の数施設で行われているので、実績はPLDDの方が多くあります。

成功率の違い

PLDDの成功率は90%前後、セルゲル法の成功率は90~92%前後です。長期的に長持ちするのは若干セルゲル法の方が優位だと言われています。(数年程度)

安全性

PLDDは椎間板の外を破壊することはありませんが、セルゲル法では椎間板外に壊死物質が漏れて神経損傷を引き起こす可能性があるので、神経損傷のリスクがセルゲル法にはあります。PLDDは繰り返して治療をすることが出来ますが、セルゲル法は壊死物質がインプラントとして残存するため一生に一度しか行えません。

コスト

PLDDは日本国内で広く行われており、20万円から50万円に費用が掛かります。セルゲル法は100万円以上の費用がかかります。


まとめ

  • 治療目的(減圧治療)は同じ
  • 実績はPLDDの方が多い
  • 成功率はセルゲル法が高い
  • 安全性はPLDDが高い
  • コストはPLDDが安い
  • 再発時はPLDDが有利

皆様が椎間板ヘルニアだとして、日帰り腰痛治療を受けるとしたらどちらを選ばれるでしょうか? あえて答えは言いませんが、同じ答えが返ってきそうです。これらの違いについては利益を優先的に考えると説明したくない事柄なので、説明義務はあるのですが、今日の患者様のように秘匿されたのかもしれません。昨今では、インターネットやChatGPTなどのAIの情報も全てが正しいと限らないですから、少しでも疑問に思ったら第3者的な専門家に相談することも大切だと思います。お金の話はだれかに相談。詐欺予防の標語みたいですね。

参考論文

ディスコゲルとPLDDの有効性

関連動画


院長の一言

スキーの準備

日曜日に大阪のタナベスポーツにスキー板を買いに行く予定です、パウダー用ではなく、ゲレンデ用の板なんですけど、筋力も衰えてきているので扱いやすい板にしようかなと思とります。狙っとるのは、HEAD E-RACE PROって板です。高いんで傷つけんように大事に滑らなあきまへん。自信だけはありますよってなんとかなるか。

スキーの準備

さて、昨日の我らのタイガースは日本シリーズ進出を決めました。最高の3連勝でしたわ。この調子で先に4勝してもらいたいと思います。楽しみですわ。


この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長・野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

大阪本院 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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