治療症例 / 院長ブログ

HIZを塞いだ50代女性

患者様の情報

50代 女性

疾患・症状

患者様の状態

2019年から腰痛と坐骨神経痛があり、定期的にブロック注射を行うも改善がないとのことで当院を受診されました。


検査

MRI

MRI

MRIでL2/3~5/Sの椎間板変性を認め、L2/3と4/5にHIZを認めます。脊柱管の狭窄所見はありません。MRI検査で指摘されるHIZ(high intensity zone)は、椎間板の割れ目やその部分のむくみ(浮腫)と考えられています。この割れ目があることで髄核成分の漏出による炎症が起きると考えられています。


治療

Annulogram検査

椎間板造影検査(Annulogram)でMRI検査で指摘されたHIZと同部位で造影剤の漏れ出しを認めます。やっぱりHIZは椎間板の割れ目なのですね!

ディスクシール治療

治療法はディスクシール治療で線維輪の修復を行いました。治療時間は8分でした。


副院長の一言

HIZ

よく外来で患者様に「通常、MRI検査では椎間板の割れ目は見えないです」と説明を行うことが多いですが、例外的にHIZは割れ目であることが多いです。ただし、小さなひび割れではなく、大きなクレパスみたいなものなので、必ずしも見つかってうれしいものではありません。何事もそうですが、初期のうちに手を打つことが大事にならないために重要です。小さい傷のほうが修復しやすいですが、大きくなってしまったからといって放置をすることは更なる悪化の呼び水となります。MRIでHIZを指摘されているのであれば、早めにご相談下さい。

帰国後

先週の日曜日にインドネシアから帰国したのですが、日本では一気に秋になっていました。暑いインドネシアもバテてつらいですが、急激な寒暖差にも体がついていけてないです。。。寒暖差は腰痛の悪化因子ですので冷やさないように気を付けましょう!


今回の治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


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この記事の著者

野中腰痛クリニック 大阪本院 副院長:石田貴樹

大阪本院 副院長石田 貴樹

2009年:高知大学卒業・医師免許取得、2012年:神戸市立医療センター西市民病院勤務、2013年:兵庫県立尼崎病院勤務、2014年:関西労災病院勤務、2019年:ILC国際腰痛クリニック勤務、2021年:野中腰痛クリニック勤務、2022年:2年間の研修を経て10月にライセンスを獲得、2023年:医療法人蒼優会理事就任・野中腰痛クリニック副院長就任


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