患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
患者様は、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛で仕事が出来ない状態になられていたことから、今年4月に他院でPLDD(椎間板レーザー減圧術)を受けられました。改善が乏しい状態が続くため、セカンドオピニオンを目的に当院を受診されています。
検査
MRI

腰のMRI検査です。第5腰椎と第1仙骨部の椎間板ヘルニアが目立ちます。また、PLDD(椎間板レーザー減圧術)を受けられた部位にもなります。一見すると椎間板容量は保たれているように見えますが、椎間板が変形しており、椎間板内圧が低下している可能性が高いと思われます。
治療
椎間板の内圧が低下している場合にPLDD(椎間板レーザー減圧術)やディスコゲル治療(別称:セルゲル法)は禁忌になります。椎間板の内圧が低下している場合にはディスクシール系統の治療が必要になるとご説明しました。
Annulogram検査
この動画が全てを物語っています。造影剤が椎間板の中を流れていくので、椎間板の内圧が低い事が証明されています。この場合は、PLDDやディスコゲル治療(別称:セルゲル法)は適応外になります。今回は、ディスクシール治療を行いました。
治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後になります。
減圧治療として、PLDDやディスコゲル治療(別称:セルゲル法)は100万円を超える費用がかかりますが、材料代の原価は10万円以下であり、クリニックにとっては大きな利益になるため、適応外であっても治療が為される例が私の外来でも多数確認されています。
院長の一言
暴走女子
最近、長女の暴走が止まりまへん。昨日は、自宅に帰ってくるなり自分が履いていた靴下を脱いだと思ったら、突然、僕の顔面に投げつけてきたんですわ。「くっさー、ええ加減にせなあかんでな!」というと「靴下と同類っしょ」と言い返してきました。グッとこぶしを握り締めながら耐えましたけど、思春期とは言え、やさしさが欲しいですわ・・・

今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。

坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚部に痛みや痺れを感じる症状です。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任